IndoorPaleAleの日記

考えたこと、勉強したことの備忘録 思想のためのメモ

製麺のセオリー(文献と経験のまとめ)

自家製麺に対する考え方(前提)

  • 使用価値を重視する。希少食材や見た目に騙されない。「フグ出汁が~」とか要らない。背脂最高。
  • 高価だったり一般的に手に入りにくい食材は使わない。身近もしくは通販で買える安価な食材を使うこと。
  • レシピの構成はタフであること。季節や食材の質に影響を受けない構成にする。
  • レシピの構成はシンプルであること。余計なものを入れない。
  • 麺ってのは白米と同じ。絡まるもんであれば、なんだってうまい。
  • ラーメン全体、料理としての完成度やスープとの調和を尊ぶあまりに麺が単体としておいしくないラーメンは本末転倒。ラーメンは、美味しい中華麺を美味しく食べるための手段。最高にうまい麺を作って、それをさらに美味しく食べるためにスープやら何やらを考えて作る、というのが正しい中華麺料理のプロセス。
  • 我が家の小野式製麺機の切歯は2mm。その範疇で考える。
  • 熟成麺は捨てる。せっかく自家製麺なんだから、打ち立て麺を味わう。
  • セオリーは押さえ続ける。

小麦粉の製麺特性を決定づける三大要素

  1. タンパク質の含有量 (麺用の場合、最低8%~16%)
     麺の硬さを決める。タンパク質は熱を加えると硬くなる性質があるため、タンパク質を多く含む小麦粉ほど、より硬い食感になる。タンパク質の量で、強力粉、中力粉、薄力粉に分類される。
     うどん用小麦粉は中力粉で、普通タンパク質含有量が8~9%。当然9%に近づくほど、硬いうどんになる。ラーメンの場合のタンパク質含有量は、8.5%から15%程度までを使用する。博多ラーメンのような硬い麺は15%近くで、うどんに近いような食感のつけ麺は8.5%に近づく。
     水を加えて捏ねることで小麦タンパクであるグリアジンとグルテニンがグルテンの網目構造を形成し、生地の粘りや弾性を作る。捏ねたばかりの生地は固くて成形に不向きだが、しばらく寝かせるとグルテンの結合が緩和され、過剰な弾性が除かれる。
     ビタミンCなどの酸性物質の添加、塩の添加で生地の強度が増す。

  2. 灰分 (最低0.34%~1%)
     ミネラル分の量を表す。灰分は、小麦粉の中心部分の色の白い部分だけを使うほど少なくなり、周辺部分の色の濃い部分が多くなるほど、灰分が高くなる。
     麺の色と食感に影響を及ぼす。色が白くて雑味のない小麦粉にこだわるのであれば、灰分の少ない小麦粉になるが、同時に栄養分も少なくなる。多くなるほど、小麦の風味が強くなる。

  3. アミロ値 (500BU~1200BU)
     麺の食感、麺の粘り強さを決定づける。アミロ値は、小麦粉の大部分を占めるでんぷん質がいかに粘り強いかを決定づける数値で、この数値が大きいほど、粘り強い麺が出来る。モチモチとした食感の麺には、アミロ値の大きい小麦粉が適している。
     アミロペクチンとは、デンプン粒の水に溶けない外側の部分を構成する多糖類の一種。アミロースとともにデンプン組成の主成分で、多くのデンプンで 70~80%を占める。
     アミロースは、グルコースが長い鎖状に連なったもので、水に溶ける。

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熟成の効果

  1. 水和 水を均等に行き渡らせる
  2. 脱気 麺の中にある気泡を抜き、茹で伸びと白色化を防ぐ
  3. ストレス緩和 製麺中に発生した内部圧力を緩和することでグルテン組織の破壊を防ぎ、ちぎれにくく弾力のある麺にする
    ※熟成させないと、ツルツル感とモチモチ感の強い、不透明な麺になる。

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製麺手順
 

丁寧版

  1. 作りたい麺のコンセプトを決める
  2. 粉を選ぶ
  3. 加水率を決定する
  4. 粉重量1%の粉かん水、塩を測り、湯に溶かす
  5. 粉を投入し、一切こねずに小さい粒になるように水回し
  6. ラップして10分間そぼろ熟成(水和)
  7. 滑らかになるまで手で練る
  8. ジップロックに入れて踏む
  9. 固くなったら30分~半日程寝かせる(ストレス緩和)
  10. 麺棒、製麺機でゆっくりと圧延する
  11. 最低でも1回は麺帯を合わせる
  12. 目標の厚みになったら麺棒に巻きつけて30分寝かせる
  13. 切って、打ち粉をまぶす
  14. 1日寝かせる(構造安定)

適当版

  1. 作りたい麺のコンセプトを決める
  2. 粉を選ぶ
  3. 加水率を決定する
  4. 粉重量1%の粉かん水、塩を測り、湯に溶かす
  5. 粉を投入し、一切こねずに小さい粒になるように水回し
  6. 滑らかになるまで手で練る
  7. 製麺機で圧延する
  8. 最低でも1回は麺帯を合わせる
  9. 切って、打ち粉をまぶす

 

粉特性

麺遊記と白椿を主軸に組み立てる。

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※粉の選定基準

  • 安価、安定的に入手できること。
  • 麺専用粉(準強力粉)であること。単体でも使える。
  • 表現したいのは、プリプリ、もちもち、バツバツ、ザクザク、ゴワゴワの食感。広い表現に使える粉を選ぶ。

 

加水と粉選定のセオリー

 

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※二郎など、低加水・強力粉で太麺を作る店もままある。あくまでもセオリー。